サイトリニューアルにおける失敗と成功に近づけるポイント

Webサイトを一から制作するより時間とコスト、労力がかかるのがサイトリニューアルです。手間暇かけてリニューアルするのに、失敗してしまってはもったいないですよね。

目に見える成果の落ち込みがあれば改善の余地はあるものの、漠然と「失敗した気がする」と感じるパターンが多く、何をすれば改善するのかわからないというケースも少なくありません。

この記事では、そんな失敗の原因と対処法、サイトリニューアルを成功に近づけるポイントを解説します。

1.一番の失敗はよく分らないこと

Webサイトをリニューアルしたあとに、「失敗した」と思うケースは少なくありません。問い合わせの数が減った、ユーザー数が減少したなど、失敗が目に見えるとショックは大きいものです。

しかし、最も多いのは、「成功したのか失敗したのかよくわからない」というケースです。

なんとなく問い合わせ数が減った気がする、質問数が増えた気がする、別部署や友人から分かりにくくなったと言われる回数が増えた気がするなど、感覚的にうまくいってないと思うことがほとんどでしょう。

こういったよくある失敗を防ぎ、サイトリニューアルを成功に導く方法について次章から詳しくご紹介します。

 

2. 失敗してしまう主な3つの原因と対処法

Webサイトのリニューアルに失敗してしまうのには、どういった理由があるのでしょうか。考えられる3つの原因と、失敗を防ぐ対処法を紹介します。

①.目的や目標を定めていない

前述したような「何を失敗したのかわからない」失敗に陥ってしまう原因は、サイトリニューアルの成果指標を定めなかったことです。あらかじめ目標数値を定めていないと、成功と失敗を判断する術がありません。

Webサイトをリニューアルするときには必ず目的や目標を明確にし、リニューアル前と後で数値による比較ができるようにしておきましょう。

②.意図的にサイトを制作していない

サイトリニューアルに際し、競合他社のWebサイトなどを参考にすることはよくあります。しかし、良さそうと感じる要素やデザインをマネするだけだと、Webサイトの狙いやペルソナがぼやけてしまい、他のWebサイトと見分けがつかず「何となく使いにくいサイト」になってしまうことも少なくありません。

サイトリニューアルするときには、Webサイト全体の構成やページの中身、ユーザーの導線などの細かい部分まで配慮し、ターゲットユーザーの目線に立って設計することが大切です。

③.運用を考えていない

サイトリニューアルは、公開するまでがゴールではなく、公開してからがスタートです。リニューアルを計画したときに想定していた結果と、リニューアル後の現実がずれてしまうことはよくあるため、公開後の数値確認やPDCAを見据えた体制を作らないと、失敗の可能性が高まります。

あらかじめ数値目標を定めて定点観測をしっかりと行い、微修正やA/Bテストを重ねていくことが、Webサイトのパフォーマンスを高めることにつながります。

 

3.リニューアルを成功に近づける方法

サイトリニューアルでは、失敗しないだけではなく成果を出すことが求められるでしょう。ここからはサイトリニューアルを成功に近づけるための、具体的な方法を4つ紹介していきます。

ペルソナを設定する

サイトリニューアルではペルソナ設定が必須です。ペルソナの粒度はPDCAサイクルの長さに合わせて決めるのが理想的ですが、サイトリニューアルのPDCAサイクルは年単位と長いため、ペルソナの粒度もできるだけ細かく設定しましょう。

年齢や年収、住んでいるエリアなどの基本情報だけではなく、悩みや嗜好、Webサイトにたどり着いた経緯まで細かくペルソナを作り込んでおくと、失敗の仮説が立てやすく、PDCAを効率的に回せるようになります。

競合調査を行う

Webサイトをリニューアルする際に、競合サイトを参考にするケースは少なくありません。他サイトを手本にすることは悪いことではありませんが、ただマネをして似たWebサイトを作るだけでは失敗の可能性が高くなってしまいます。

競合調査を行う場合は、競合サイトを分析した上で良い部分・悪い部分を洗い出し、自社サイトに活かすことが差別化のポイントです。サービス面以外でも、競合に勝てる部分と負けている部分を整理すると良いでしょう。

抽象的な言葉や指示を減らす

サイト制作の現場では、抽象的な表現をできるだけ少なくすることが成功への近道です。

リニューアル後のイメージを、「使いやすくする」「分かりやすくする」とあいまいに表現することはよくありますが、人によって理解が異なるためチーム間に大きな混乱を生じてしまいます。

例えば、「使いやすくする」という言葉に加えて、参考サイトのキャプチャやワイヤーフレームを添付して、使いやすい状態を具体的に示すことが大切です。

少し手間はかかりますが、複数の人間がリニューアルに関わっている場合には、認識のズレを防ぎ、結果的に理想のWebサイトに近づけられるでしょう。

外注をうまく活用する

サイトリニューアルを外注や制作チームに依頼する場合、「すべておまかせします」と丸投げしてノータッチなのはよくありませんが、口をはさみすぎるのもNGです。

サイトリニューアルとひと言でいっても、マーケティングやSEO、ブランディングなど、得意領域はそれぞれ異なります。担当者としてすべてを把握したい気持ちはぐっと抑え、「餅は餅屋」を意識して担当者の意向を全面に出しすぎないようにしましょう。

 

4.まとめ

サイトリニューアルでは、「何となく失敗した気がする」と感覚的に“失敗”を意識するケースが多いものです。

そういった失敗を減らすためには、将来的な運用体制を見据え、細かな部分まで作り込む必要があります。また、リニューアル前に成果指標を定め、失敗後も改善できるようにPDCAを回しやすくしておくことも重要です。

さらに成果をあげるWebサイトにするためには、ペルソナを設定する、競合調査を行い自社サイトに活かす、抽象的な言葉による指示を減らす、外注の意見を反映するといったポイントも押さえておきましょう。

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Webコンサルタント 広告代理店にてメディア運営・SEOディレクション・Web広告運用を経験。 現在はコンテンツSEOとWeb担当者向けメディア『Webly』の編集を担当。

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