Web接客ツールとは?できることとメリット・デメリット

Web接客ツールとは、実店舗と同じようにWebサイト上でユーザーを接客するマーケティングツールで、ポップアップやチャットなどを通しWebサイトに訪れるユーザーに対して情報提供を行います。

ここ数年で様々なWeb接客ツールが開発され、多くのWebサイトで導入されてますが、その機能や特徴はベンダーによって違ってくるため、実現したいことや目的に合わせて適切なWeb接客ツールを選ぶことが重要です。

そこで今回は、Web接客ツールでできることやメリット・デメリットといった、Web接客ツールの基本的な知識について解説します。

 

1.Web接客ツールでできること

まずは、Web接客ツールが普及している理由と、種類や特徴を見ていきましょう。

Web接客が着目される理由

ECサイトでは時間や場所を選ばずに商品販売ができる反面、リアル店舗とは異なり、ユーザーがECサイトを閲覧している際にリアルタイムでの接客が行えないという弱点がありました。

この弱点を補う手段として、2015年頃から注目されてきたのがWeb接客ツールです。

チャット形式のWeb接客ツールを例に見ると、近年ではLINEやメッセンジャーといったチャット型の連絡ツールが一般的となり、多くの高齢者も利用しています。そのため問い合わせフォームなどと比較して心理的なハードルが低くなっていることもWeb接客が普及している理由のひとつでしょう。

Web接客ツールの種類と特徴

Web接客ツールは個々のユーザーにカスタマイズした情報を提供することができますが、そのタイプは次の4種類に分けられます。

①.ポップアップ型

Webサイト内での行動パターンや滞在時間に応じて、特定のメッセージをポップアップで表示します。主にクーポンの配布や、レコメンドバナーの表示が行われ、画面に対する比率や表示場所などは、使用するツールによって様々です。

②.チャット型

チャットを介してコミュニケーションを図り、ユーザーの疑問を解消するツールです。最近は人を介さずにAI機能を使って自動応答を行うチャットボットがよく使われていますが、実際のオペレーターが対応するものもあります。両方を組み合わせることで、高精度な応答を行いつつコストを抑えた接客が可能です。

③.フィードバックツール

ユーザーに対してアンケート調査を行うポップアップを出し、Webサイトのユーザビリティ改善などに役立てるための情報収集を行うものです。

④.プッシュ通知

スマホの画面に定期的に通知を出す通知型はスマホが一般化した今では有効な通知方法ですが、専用アプリの開発や運営を行う必要があるため、他の方法に比べて導入のハードルが高くなる傾向が見られます。

 

2.Web接客ツールのメリット

Web接客ツールを導入することで、次のようなメリットが得られます。

購入率・平均単価を上げる

サイト上でユーザーが疑問を抱いた際に素早く反応し、きめ細かいサポートを行うことによって、サイトからの離脱率を減らし、購入率を上げることができます。

また、きめ細かいサポートにより他商品への誘導も行うこともでき、平均単価を上げる施策としても有効です。

効率よく顧客満足度を上げる

初めてサイトを訪れたユーザーには、商品購入の手順やよくある質問を案内し、常連ユーザーには割引クーポンを配布するなど、訪れたユーザーに合わせて実店舗に近い接客を行うことができ、顧客満足度を上げることができます。

また、元々のサポート業務をオペレーターが担当していた場合、チャットボットと有人チャットを併用することで、人件費などのコストを抑制しながらロイヤリティを高めるといった効果も期待できます。

 

3.Web接客ツールのデメリット

Web接客ツールには、メリットがある一方、デメリットも存在します。

シナリオによっては逆効果になる

Web接客ツールにおけるシナリオとは、いつどのユーザーにどのようなアクションを取るかを定めた設計を指します。

シナリオの内容がユーザーニーズと合致していれば高い効果を得られますが、万が一、ユーザーニーズとそぐわないタイミングや、求めていないものが表示されれば、逆にユーザーの気分を害しかねません。

定期的にシナリオを見直し、PDCAを回す必要があります。

コストが発生する

Web接客ツールの導入には、初期費用と運用コストがかかります。かかるコストは、利用するWeb接客ツールや、Webサイトのセッション数・規模によって異なります。

また、Web接客ツールのシナリオ設計から管理を担当する運用スタッフを配置しなければなりません。

導入する際は、まず料金体系や費用対効果をしっかりと吟味しましょう。

初期設定に時間がかかる

Web接客ツールごとに、初期設定の方法は異なります。例えばチャット型を導入する場合では、ユーザーの質問や疑問に対する回答文の作成や設計を行わなければなりません。

導入当初は、ある程度の負担がかかることは避けられませんが、Web接客ツールの提供会社によっては、導入から運用に至るまでのサポート体制が整っているところもあります。

すぐにでも自社サイトにWeb接客ツールを実装したい方は、ツールを提供している会社のサポート内容を確認し、しっかりフォローしてくれそうな会社のツールを選びましょう。

 

4.Web接客ツールを導入すべきサイト

Web接客ツールの導入に適しているWebサイトは、以下のようなものが考えられます。それぞれのサイトで代表的な利用方法を、簡単に紹介します。

①.ネット通販を行っているECサイト

サイトから離脱しようとする人へ、キャンペーンやクーポンの情報を表示する。

②.選ぶのに時間がかかる商品を扱うサイト(不動産、保険など)

過去の閲覧履歴や購入履歴などを参考にして、おすすめの商品や情報を提案する。

③.資料請求・問い合わせ・予約を受け付けているサイト

一定時間Webサイトを閲覧しているユーザーに対して、資料請求や予約を促進するポップアップを表示する。

④.電話での問い合わせを受け付けているサイト

ポップアップで電話番号を表示したり、電話を苦手とする人に対してチャットへ誘導したりする。

⑤.アフィリエイトサイト

閲覧ユーザーの滞在時間を把握・分析して、商品の購入を迷っている人へポップアップで、販売を促進するクーポン表示を行う。

 

上記はあくまでも、Web接客ツールを活用する方法の一例です。ユーザーの離脱を防ぎ、顧客満足度をあげることを目的としているサイトであるならば、積極的にWeb接客ツールを導入するべきでしょう。

 

5.まとめ

Web接客ツールは、Web上にありながら実店舗に勝るとも劣らない接客を提供することが可能となるシステムです。しかし、各社が提供しているツールの機能や特徴、かかるコストはそれぞれ異なるため、どの機能やサービスを重視してサイトに取り入れるかを見極めることが必要となります。

まずは、自社サイトにある課題を明確にした上で、最適なWeb接客ツールを選んで導入しましょう。

CVR改善の最新記事

CVR改善をもっと見る

この記事をかいた人

アバター画像

Webコンサルタント 広告代理店にてメディア運営・SEOディレクション・Web広告運用を経験。 現在はコンテンツSEOとWeb担当者向けメディア『Webly』の編集を担当。

最新の記事