コンテンツマーケティングでCV数を増やすための導線設計【プロが解説】

自社サイトやSNSから見込み顧客を集めるコンテンツマーケティングは一見万能な集客方法に思えるかもしれませんが、実際のところ売上につながるようなコンテンツを作るのは簡単ではありません。なかなかコンバージョン数が伸びず悩んでいるWeb担当の方も多いのではないでしょうか?

思うようにコンバージョンしない場合、内容だけでなくユーザーを購入まで誘導するための道のり=導線をしっかり整備できているかチェックした方がいいかもしれません。

今回は、主に自社サイトやオウンドメディアに掲載する記事コンテンツにおけるコンバージョン数の増やし方として導線の設計方法をお伝えします。

1.コンテンツマーケティングにおける導線の種類

コンテンツマーケティングの導線は「CTA導線」のことを指します。

コンテンツマーケティング(主に記事コンテンツ)において用いられる主要な導線の種類は以下の通りです。

  • 会員登録
  • お問い合わせ
  • 資料請求・ダウンロード
  • SNSのフォローボタン

CTA導線とは

CTAとは「Call To Action(行動喚起)」の略。Webサイトの訪問者を具体的な行動(コンバージョン/CV)に誘導する導線のことを指します。記事を読んで自社製品に興味を持った人が購入に至るようアシストする役割を持っていると言えるでしょう。

求めるコンバージョンによっていくつかの種類に分けることができ、サイトや商材によっていくつか使い分けるのが一般的です。

導線の種類特徴顧客から見たハードル
会員登録メルマガ、ECサイトなど
ユーザーとの接点を増やす
SNSフォローボタン幅広い層に認知を広げる
エンゲージメントが重要
資料請求・ダウンロード主にBtoB向け
詳細/専門的な内容に最適
お問い合わせコンバージョンにつながりやすいがハードル高め

顧客から見てハードルが高いCTA導線はクリックするのに抵抗を感じやすいものの、上手く誘導できればコンバージョンにつなげやすいとも言えます。反対にハードルが低い導線は手軽にクリックできる一方、その場では購入につなげにくいでしょう。

詳しくは後述しますが、コンテンツを訪れるユーザーにマッチした導線を設置することが非常に大切です。まずはそれぞれの導線の特徴を弊社のコンテンツマーケティング担当・ニャーケッターからの本音コメントと共に細かく見ていきましょう。

①会員登録

メルマガやECサイトへの会員登録など。業態によってはLINE登録の導線を挿し込む場合もあります。

直販のECサイトを運用している場合を除き、直接購買にはつながりにくいでしょう。その分登録のハードルは低めなので、ユーザーとの接点を増やすための中間コンバージョンとして用いられることも多いです。

ウェビナー・セミナーの参加フォームへのリンクを設置するケースもあります。

<監修者・ニャーケッターより>

比較的高単価の商品を扱うECサイトはとくに初回訪問で購入するユーザーは非常に少ない。そのため購入よりハードルの低い会員登録をCVとすることも一つの手だ。
会員登録においては登録メリットを提示し、同時にメルマガ受信してもらうことが重要にゃ。初回訪問で購入に至らなかったとしても、その後のメルマガ配信で商品の魅力や選び方、最新・期間限定のなどユーザーにメリットのある情報を届けることができれば、サイトの再来訪や先々の購入につながる可能性が期待できる。特に衝動買いできない商品や他社比較ありきの商品では、検討期間が発生しやすいことも考慮してコミュニケーションをとることが大切にゃ。

②SNSへのフォローボタン

幅広いユーザーの認知を獲得したいときに向いています。

企業とユーザー間でコミュニケーションを取ることでて親しみを持ってもらえますが、その一方購買につなげにくい点には注意が必要です。他の導線と併用する形で使う長期的なアプローチ方法だと言えるでしょう。

<監修者・ニャーケッターより>

メルマガ(会員)登録よりさらにハードルを下げたユーザーとのタッチポイントだ。ワンタップでフォローできる反面、お別れもワンタップにゃ。そのためユーザーを飽きさせない内容と頻度を意識しつつ、エンゲージメント(ユーザーの反応)数を見ながら自社のベストを模索することが大切にゃ。

キャンペーンなどで短期間に集めたフォロワーもコミュニケーションが伴わなければ数字だけのフォロワーになってしまう。

フォロワーの数と反応の数が合っていない企業アカウントが多いのはまさにそういったケースだったりするにゃん。SNSで大事なのはエンゲージメント。フォロワー数だけで満足しないことにゃ。

③資料請求・ダウンロード

主にBtoB向けですが、BtoCでも教育系など一部の業界にも用いられる導線です。

「商材について検討の為に詳しい情報を知りたい」「専門的な解説が欲しい」というニーズがある商材は特に資料請求を使うとよいでしょう。商材によってはよりハードルの下がる資料ダウンロード形式をとるケースもあります。

コンバージョンにややつながりにくく、資料ダウンロードの場合は特に競合他社の分析資料となりうる点には注意が必要です。

<監修者・ニャーケッターより>

ニャーケッター

余談だが資料請求について最近のトレンドも触れさせてほしいにゃん。

BtoCでは金融業界(証券会社・保険会社・クレジット会社など)でよく見られた資料請求が、最近はWebコンテンツにシフトしている傾向もある。

NISAやiDeCo、証券会社、少額保険など従来は資料請求を設けていた業種も昨今はWebで完結できるものが増えているにゃん。検討に必要な情報をコンテンツで表現できれば、資料請求というステップを踏まずダイレクトに成約につなげることができる。そう考えるとサイトのUI・UXリッチコンテンツ作成は今後より一層重要になるという捉え方もできるのにゃ。

お問い合わせ

コンテンツを見て問い合わせをしてくれるユーザーは商材への関心も高く、コンバージョンに近い傾向にあります。優良な見込み顧客を集められるCTA導線だと言えるでしょう。ただしその分導線を踏むハードルは高くなることには注意すべきです。

問い合わせ経由をメインに受注しているBtoB企業は特にどのような経路でフォームへつなげるかが重要になってきます。

2.コンテンツマーケティングにおいてCTA導線の設計は重要か

結論から申し上げると、コンテンツマーケティングにおいてCV(コンバージョン)に直接結び付くかどうかは必ずしも大事ではありません

そもそも、コンテンツマーケティングの目的は「見込み顧客の獲得と関係性の構築」です。サイトを訪れたユーザーがその場で購入を決断せずとも、あとから何かしらの形でコンバージョンするケースも多々あります。

購入ボタンを押すよう直接誘導することに特化している(=直接CVに結び付くことが分かりやすい指標となる)メディアは広告なので、その点には留意しておきましょう。

とはいえ何の導線もない/不適切な誘導では機会損失に繋がりうるため、適切な導線設計はユーザーのためにも重要です。

不適切な誘導の一例

お問い合わせへの導線は直接CVにつなげやすいのが特徴ですが、そもそも「問い合わせてみよう」と思うユーザーがいない状態では上手く機能しません。

そのため、例えば初心者向けの簡単な解説コンテンツの後ろに問い合わせ導線を設置するのは多くの場合不適切です。

  • 他の記事への回遊導線
  • サービス内容を説明するページ
  • ホワイトペーパー、資料ダウンロード

などへのCTA導線をつけるとよいでしょう。

3.CTA導線の形式

記事内に挿入するCTA導線にはいくつかデザイン上の形式があります。どの形式を使うのが正解ということはありませんが、ユーザーに応じて使い分けるとよいでしょう。

強く訴求したい場合は複数の形式を併用することもあります。

(各項目の下にCTA導線の見本を挿入していますが、リンク先は弊社のコンテンツマーケティングサービスのページです。興味がある方はクリックしてみてください。)

テキスト

文章の中にテキストリンクを入れる形。目立ち過ぎず記事の中になじみやすいのが特徴です。

コンテンツを主役にしてさりげなく導線を設置したいときにおすすめ。

→テキストリンクの見本

バナー

画像を入れて誘導する形式です。視覚的に分かりやすく伝えられます。

記事の途中に挿し込むほか、目立つので横カラムやトップページにテンプレートとして入れることが多いです。

ボタン

枠の中にテキストを入れる形の導線。記事内によく用いられます。

WordPressであればテーマにボタンのテンプレートが入っているので取り入れやすく、かつ視認性の高い導線です。

4.CTA導線を入れる場所おすすめ3選

導線の内容やデザインも大切ですが、コンテンツ内のどこに設置するかもCVに深く関わってきます。

ここからは記事コンテンツ内に入れることを想定してCTA導線を入れる場所としておすすめの場所を3つ紹介します。

記事の文末

文章を最後まで読んでいる状態であれば商品やサービスに強い関心を持っている可能性が高いので、興味を持ってくれたユーザーを効率的に誘導することができます。

うるさすぎないのでコンテンツ内に配置する導線として一番おすすめです。

ファーストビュー内

ファーストビューとはページを開いて最初に表示される画面のこと。

一番見ているユーザーが多い画面なので、タイトルを見た段階ですぐに誘導したい場合はファーストビュー内に大きく入れると見やすいです。ただし、PR感が増し敬遠されるリスクがある点には注意してください。

当サイトではファーストビューに表示される導線はPCのみ右カラムに設置していますが、コンテンツによっては記事内中央に配置する場合もあります。

横カラム(PC向け)

記事横のカラムに固定で設置することで、興味を持った時にいつでも遷移できるようになります。一画面に幅を持たせられるPC向けのレイアウトではよく採用されます。

テキストだと存在感がなく見づらいので、バナー・ボタン形式で載せるのがよいでしょう。

スマホ向けの導線としては固定のヘッダーをつけるのがおすすめです。

5.効果的にコンバージョン数を増やすための導線設計のコツ

CV数を増やすには、ユーザーに合わせた導線設計が必要です。

売上アップを目的にしてコンテンツを制作しているとどうしても購入に近い目立つ導線を設置したくなるかもしれませんが、実際に効果を上げるには別の手段が必要になってくることもあります。

ターゲット層に合わせた種類・形式を選ぶ

記事の内容に合わないCTA導線を敷いても意味がないのはもちろん、「目立つボタンや画像にするとCVしやすい」「問い合わせへのリンクを貼れば売り上げが増える」わけではありません。

消費者側になって考えてみると想像しやすいと思いますが、分かりやすく購入へ誘導するボタンが便利に思うときもあれば鬱陶しく感じることもあるでしょう。CVさせたい一心で押しつけ・押し売りにならないよう注意してください。

ユーザーの意欲・状態に合わせた導線を選ぶことが重要です。

なるべくシンプルに

商品を売る側としてはユーザーが何を選んでもいいように「会員登録」「問い合わせ」「SNSボタン」などたくさん導線を設置したくなるかもしれません。

しかし、上記のようにひたすらボタンが並んでいるとどれを押していいか分からなくなってしまいますよね。ユーザー目線で考えると選択肢が多すぎるのはかえって負荷になってしまいます。

一番優先したいものをなるべくシンプルに配置することが重要です。同じ画面に複数導線を設置したい場合は、デザインにメリハリをつけるよう心がけましょう。

テンプレートにしすぎない

カラム内のバナー画像くらいは固定でも構いませんが、記事のカテゴリや種類ごとに導線を固定するのはあまり推奨されません。

特にありがちなのはカテゴリごとに導線を設置してしまい、文脈に合わないテンプレートが挿入されてしまうケース。CVにつながらない導線はユーザーを邪魔してしまうだけなので、なるべく避けたいところです。

少し手間がかかりますが、いくつかのテンプレを作成して記事ごとに導線を決めるようにしましょう。内容の濃いコンテンツであればオリジナルのCTA導線を都度作成するのもおすすめです。

6.まとめ

コンテンツマーケティングでCV数を上げたい場合は、内容だけではなく記事内の導線にも注意を払ってみましょう。

記事に合っていない導線が配置されていたリ、デザインによってユーザーが抵抗感を抱きやすかったりすると、良い内容のコンテンツでもCVにつなげることができなくなってしまいます。

自社が売りたい商品はなんなのか、商品を買ってくれそうなユーザーは何を好むのか、しっかり分析することが重要です。

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