【BtoB企業特化・事例あり】コンテンツマーケティングの特徴・成功のコツを解説

BtoB向け コンテンツマーケティング 特徴

コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値あるコンテンツを発信することで集客するマーケティング手法のこと。現在ではWEB戦略の一つとして大きな注目を集めています。

個人向けに集客するBtoC事業ではもちろん、BtoBビジネスでも集客効果を表します。BtoB/BtoCに共通する特徴もありますが、BtoB特有のポイントもあるため、違いを押さえたうえでコンテンツ制作に取り組むとよいでしょう。

この記事では、BtoB企業におけるコンテンツマーケティングの特徴や成功するためのポイントを詳しく、分かりやすく解説します。コンテンツマーケティングを専門に扱う当社での実際の事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

BtoB企業におけるコンテンツマーケティングの特徴・BtoCとの違い

BtoBのコンテンツマーケティングは企業を相手にしたアプローチをしなければならないため、BtoC企業とは若干戦略が異なる場合があります。違いを把握し、適切な方法でアプローチできるようにしましょう。

BtoBBtoC(一般的な例)
マーケティング対象企業・組織個人
顧客の主な目的企業のビジネス目標達成人によって異なる
購買の意思決定に必要な人数多い(複数人)基本的に1人
成約までの検討期間長い短い
顧客が求めるコンテンツ専門的な知識・ノウハウ簡単で分かりやすい解説
アクセスが多い時間平日の昼間朝と夜、休日
アクセスが多いデバイスPCスマホ

BtoB/BtoC共通の特徴

コンテンツマーケティングには大まかに以下のような特徴があります。

  • 見込み顧客を効果的に増やせる
  • コンテンツが資産になる
  • (広告と比べると)取り組みやすい
  • 顧客のデータを収集できる
  • 効果が出るまでに比較的時間がかかる

これらのポイントはBtoB/BtoC問わず共通しています。

コンテンツマーケティングの基本的な目的、メリット・デメリットについては「コンテンツマーケティングとは?目的や効果、成功するためのコツを伝授!」で詳しく解説しています。興味がある方はこちらもご覧ください。

BtoB特有のポイント①成約までの検討期間が長い

マーケティングの対象は企業なので、購買に至るまでには複数人の判断が必要です。最初に社内に提案する担当者やその上長、ケースによっては他の部署・責任者の許可が必要になってきます。

また多くの場合商品単価も高くなるため、コンテンツの質に関わらず成約・購買までには時間がかかるのがBtoBの特徴です。

BtoB特有のポイント②平日・PCからのユーザー数が多い

BtoBの顧客は勤務中に情報を確認することが多いため、平日かつPCからのアクセスが多いのも大きな特徴の一つです。実際、BtoB向けに発信している当サイトのユーザーも平日・スマホよりもPCからのアクセスが多い傾向にあります。

更新時間によって大きくアクセス数が変わるケースはそこまでありませんが、ユーザー数が多い時間を狙ってコンテンツを発信してみるのも戦略になるでしょう。

そして、もっと大切なのはコンテンツのUI・デザインです。スマホ/PCどちらでも見やすいデザインにすべきというのは前提ですが、レイアウトは基本PC寄りにするのがおすすめです。

BtoB特有のポイント③専門知識が必要

顧客は業務に必要となる専門的な知識やノウハウ、価値ある情報を求めています。そのため、発信するコンテンツも「顧客の業務上役に立つかどうか」を基準にして制作しましょう。

内製ではなく外注でBtoBのコンテンツを制作する場合は、あらかじめ制作側が業界の専門知識やニーズを把握してから発信する内容を考えることが重要です。特に専門性の高い業界だと、外注の制作サイドが業界知識をよく調べないままコンテンツを制作して全く効果を上げられないケースも少なくありません。

BtoB特有のポイント④ビジネス上の成果が顧客の目的

BtoBのコンテンツマーケティングにおける顧客の目的は企業のビジネス目標を達成すること

BtoCなら趣味に近いコンテンツや娯楽を目的としたコンテンツも好まれる場合がありますが、BtoBに限っては顧客の目的はあくまでビジネスです。基本的に「サイトを訪問するお客様が楽しめるかどうか」ではなく、「最終的に事業課題を解決できるかどうかを」をコンテンツの価値基準に置くことが重要です。

BtoBコンテンツマーケティングで成果を上げるためのポイント

BtoBのコンテンツマーケティングで成果を上げるには、BtoCとは異なる戦略が必要になってくる場合があります。ポイントを押さえて適切な戦略を策定しましょう。

>>>コンテンツマーケティング共通のポイントについてはこちらから<<<

①企業ペルソナを設定する

ペルソナというと一個人の仮想顧客像を作ってそこからニーズを分析する手法が思い浮かぶかもしれませんが、企業の場合は意思決定までのプロセスが長いため分析すべきポイントがいくつか増えてきます。

そのため、企業のペルソナを設定した上で担当者が抱えている課題が推測できるようになれば、どのようなコンテンツに価値を感じるのか考えやすくなります。できれば企業ペルソナ→個人ペルソナの順に作るとよいでしょう。

企業ペルソナを決定する場合は既存の優良顧客をもとに設定すると現実的になり、分かりやすいです。優良顧客となっている企業の特徴・共通点を見つけ出して、同じ属性の企業を見つければ同じく優良顧客になってくれる可能性が高まります。

企業ペルソナの項目(一例)

  • 業界
  • 売り上げ規模
  • 業界での立ち位置
  • 従業員の規模
  • 事業全体の課題 など

企業ペルソナを整理したら、予算決定権を持つキーマンや製品導入を提案する担当者など複数名の個人ペルソナを想定し、それに合ったコンテンツを制作します。

個人ペルソナの項目(一例)

  • 所属・部署・役職
  • 担当業務
  • 自身やチームが抱える課題
  • 課題から導き出されるニーズ など

注意点

コンテンツマーケティングにおけるペルソナ設定の目的はあくまで企業が抱える課題と情報ニーズの把握です。BtoCにも言えることですが、詳細に作りこみ過ぎないよう注意しましょう。

>>>ペルソナの設定方法について詳しくはこちらから<<<

②事例・成果を盛り込むことを意識する

BtoBの特徴は検討段階でのコンテンツ閲覧が多いことです。見かけ上の満足度よりもビジネス的な成果を検討材料として重要視する傾向にあるため、「過去にどれだけ成果を出したか」を提示する事例コンテンツはBtoBにおいて特に効果的です。

他社との違いがどこにあるのか、導入によってどの程度売り上げやコストが改善するのかなど、見込まれる成果を論理的に説明するよう心がけましょう。検討材料として客観的なデータがあると理想的です。

③専門性のあるコンテンツ・トーンを心掛ける

顧客の求める情報が高度かつ専門的であることは先述した通りです。

そのため、見込み顧客のトーンやスタイルに合った言葉遣い、表現方法、コンテンツのフォーマットを選ぶことも大切になってきます。

例えば当記事ではBtoB向けのコンテンツマーケティングについて知りたい人に向けた情報を取り扱っていますが、記事の最初に「そもそもBtoBとは?」という解説が入っていたらどうでしょうか。

他の記事では解説が必要になることもあるかもしれませんが、読む人全員が知っているであろう情報をわざわざ入れても冗長に感じるでしょう。ユーザーが既に有している情報を省略しながらコンテンツを制作するのがポイントです。

また、ビジネス向けの記事で砕けすぎた表現を用いるのもふさわしくありません。分かりやすく簡潔な表現が必ずしも適切ではないことを頭に入れておきましょう。

BtoBにおすすめのコンテンツ3選+α

一口に「コンテンツマーケティング」といってもさまざまな種類があります。その中でも特にBtoB向けコンテンツとしておすすめなのは「コンテンツSEO」「ホワイトペーパー」「メルマガ」です。

コンテンツSEOで入り口を作り、メルマガ・ホワイトペーパーに誘導しつつ別のコンテンツ記事で情報を提供するのが理想的な流れです。詳しく見ていきましょう。

コンテンツSEO

コンテンツSEOは検索流入で顧客を獲得するコンテンツマーケティングのことを指します。

顧客は比較検討する過程で、より価値の高い情報を提供してくれた企業を信頼性のある候補として選ぶ傾向にあります。

そのため、検索で参考になる情報を探しに来た新規顧客の情報ニーズを満たしつつ、自社の認知度も上げられるSEOはコンテンツマーケティングの入り口として最適です。キーワードの選び方とコンテンツの内容がうまく合致すればかなりの確率で成果を上げられます。

ホワイトペーパー

顧客の抱える専門的な問題とその解決策を詳細なコンテンツとして発信するホワイトペーパーはBtoBのマーケティングと相性が良いといえます。

ホワイトペーパーの内容がしっかりしていれば、「この企業は信頼性の高い情報を提供してくれる」と顧客にアピールすることができ、イメージアップにつながります。

メルマガ

プライベートではLINEなどのSNSを使うことが増えてきた現在でも、ビジネスにおいてはメールによるコミュニケーションの比率は大きいです。ある調査※によれば、99.1%の人が仕事で1日に1回はメールを確認する習慣があると回答しています。

そのため、BtoBでは特にメルマガを用いたマーケティングが効果を表しやすいといえます。コスト面でもかなり安価なので、コンテンツSEOやホワイトペーパーを組み合わせて施策を行うとよいでしょう。

メルマガは顧客を条件分けして配信することができるので、既存顧客の満足度向上やリピート率アップにも有効です。

(上級者編)SNS

SNSでは専門的もしくは主張の強いコンテンツが好まれる傾向にあります。また、潜在的なニーズを取り込む力もあります。一部の人に刺さる癖の強い内容で集客したい場合や企業全体の知名度・イメージを向上させたい場合はSNSでの発信も視野に入れるとよいでしょう。

ただし業務中にSNSから情報収集することは稀で、比較検討段階に入っている顧客にはあまり効果を表しません。SNSごとの特性を掴んだ効果的な運用には一定のスキル・コストが必要なので、上記のコンテンツが充実してきてから取り組むべきです。

事例①業界知識からのターゲティングでコンテンツの質アップ

ここからはコンテンツマーケティングのコンサルティングを行っている当社が実際に受注したBtoB向けコンテンツの事例を2件ご紹介します。

今回の事例はどちらもサイト内のコンテンツSEO代行をご依頼いただいたものです。お客様のご要望やサイトの状態にもよりますが、「コンテンツマーケティングからの集客を強化したい」とのご希望があった場合は効果が表れやすいコンテンツSEOの導入をおすすめすることが多いです。

中堅BtoB企業のA社

  • BtoB向けに製造業を展開
  • 以前外注したコンテンツSEOで効果が出なかった
  • 質の高いコンテンツSEO記事を制作してほしい

A社の課題

A社は以前別の会社でコンテンツSEOの外注を行っていましたが、専門性を欠いたライティングに不満があったそう。何度も修正を繰り返した末、最終的に社内で記事をリライトすることが何度もあったそうです。

成果が出ず内部で工数のかかるコンテンツ制作に限界を感じ、改めて当社に依頼していただきました。

過去の外注記事で満足のいくコンテンツを制作できなかった理由の一つが「専門性の高さ」。ライティングの難易度が高いため、何も知らないライターがいきなり記事を書いてもニーズに到達しない見当外れのコンテンツができてしまいます。

A社のように、BtoBでは豊富な業界知識を必要とするケースが珍しくありません。かといって内製で記事を書くとSEOの知見・社内のリソース不足に苦しめられるジレンマに陥りがちです。

具体的な施策

施策の第一段階として、まずは実際にA社で使用されている新入社員向けの研修資料や顧客向けのホワイトペーパーをいただき、ターゲット層と商品の分析を行いました。

なんとなくキーワードを決めていきなり記事を書き始めるのではなく、顧客となるビジネスパーソンはどんな人なのか知っておくことが非常に大切です。特に当社のようにSEOの知見を他社に提供する場合は、コンテンツに盛り込むべき内容とターゲット層への理解をいかに短期間で/正確に行うかが重要だと考えています。

分析結果をもとに潜在顧客が抱える悩みを想定し、流入を狙うキーワードを選んでいきます。A社の担当者様から記事に関する希望を伺いつつ、記事の執筆を進めていきました。

上の図は実際に使用するキーワード候補シートの一例。コンテンツ全体の基軸となる「軸ワード」を決め、その後記事にする具体的なキーワードを決めていきます。

コンテンツの質向上により工数大幅削減

念入りなターゲット調査と業界分析を行ってからコンテンツの制作に取り掛かった結果、A社側での修正がほとんど発生せずほとんどの記事が校了。

コンテンツ制作に割く工数が以前より大幅に削減され、記事の質も向上したとの声をいただきました。

事例②ドメイン強化で検索流入が8倍にアップ

次にご紹介するのは内製オウンドメディアの強化を依頼していただいたB社の事例です。

大企業・グローバル企業をターゲットとするB社

  • BtoBをメインに事業展開(メインターゲットは大企業・グローバル企業)
  • 業界情報を発信するコラム(オウンドメディア)を社内で制作
  • コンテンツSEOで流入数を増やしたい

B社の課題

運用代行の依頼をいただいたB社のオウンドメディアは、もともと内製で更新していたものでした。しかし社内のリソースでは成果を出すのに限界があり、スキルやノウハウを持った運用を行いたいとのことで当社にお声がけいただきました。

B社の場合、内製でコンテンツ制作を行った結果SEO的な知見が足りていなかったため十分な結果が出なかったものと思われます。

またニッチな分野ということもあり商材自体の知名度も低めで、コーポレートサイトのドメインで順位が上がりにくいことも課題でした。事業で扱うキーワードはビッグワードが多く、コンバージョンにつながらないターゲット外からの流入がノイズになってしまうのも運用難易度が高い理由の一つだったと考えられます。

具体的な施策

当社にコンテンツ制作をご依頼いただいた際、まず行った戦略は「ロングテールでのドメイン強化」。検索流入数が比較的少ない=ライバルが少ないキーワードから検索順位を上げていき、流入数を徐々にアップさせるという戦略です。

信頼性の高いコンテンツが増えていくと、ドメインそのものの信用度も高まります。ドメイン自体の力を強化して新規記事の検索順位が上がりやすい状態になると、流入数の多いビッグワードでも順位が出るようになってきます。

またやみくもにビッグワードを狙うのではなく、適切な流入を得るためのターゲティングを意識してキーワード選定を行いました。

ビックワードで1位を獲得→流入数が約8倍に急増

B社の事例ではロングテールワードでの検索順位上昇に伴い、導入後3ヶ月~半年ほどで流入数の増加が顕著になりました。コンテンツの充実によってその後もさらに流入数は増加し、契約後18ヶ月で検索流入が約8倍に増加しました。

最終的な流入数増加の一因は複数のビッグワードで1位を獲得したこと。ドメインの力が強くなったことにより、業界に関連するキーワードで順位の出やすいオウンドメディアに成長しました。

実際にGoogleで検索したときの画面。知りたいことを調べたときに一番上に出てくるので、流入数や商品に興味を持つユーザーを効率よく増やすことができます。

5.まとめ

BtoBのコンテンツマーケティングは企業を相手に行うという性質上、BtoCとはいくつかの相違点があります。

顧客となる企業の事業課題を適切に把握し、ニーズに届くようなコンテンツの制作を行うことが重要です。「何から始めたらいいか分からない」という場合は検索流入から見込み顧客を集めるコンテンツSEOの制作がおすすめです。

効果を出すにはノウハウとスキルも必要。自社にコンテンツ制作のリソースがない場合は外注に頼るのも一つの手でしょう。

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