【2024年最新】 ツール提供だけではない、おすすめのCRMコンサル会社7選

企業とユーザーの接点がデジタルへとシフトし、見込み客のリード獲得からの有料顧客化、あるいは通販事業者におけるトライアル客から定期ロイヤルユーザーへの育成といったCRM(Customer Relationship Management)施策が注目されていることは、改めていうまでもありません。各種プラットフォームやASP/SaaSなどのサービスやツールが日々増えており、選択肢は豊富です。

一方、それらのサービスやツールの使いこなし方を利用者側の立場でサポートできる会社は非常に少なく、特にベンダーと紐づかないコンサルティングの選択肢は限られています。

この記事では、実際にCRM施策において重要な実務となるCPO・リピート率・LTVのなどのKPI指標の算出方法をご紹介します。また、LTVなどのKPIを改善する具体的な改善策の提示、PDCAを回す業務をサポートしてくれるコンサルティング会社をどのように選定したらよいか、また選ぶ際のポイントについても詳しく解説しています。 Webly編集部おすすめのコンサルティング会社7選についてご紹介しますので、ぜひご覧ください。

1.おすすめのCRMコンサルティング会社一覧

CRMを取り扱うWebコンサルティング会社は数多くあります。その中からきちんと成果につながる会社を選択することが大切ですが、特にベンダーに左右されず中立的で豊富な経験を持つコンサルはかなり少ないのが実情です。

そこで、Webly編集部が厳選したおすすめのCRMコンサル会社を7社ご紹介。CRMの手法やおすすめの選び方とあわせて解説します。

社名ECマーケティング船井総合研究所アビームコンサルティングブレインパッドシナジー
マーケティング
カスタマー
リングス
NTT
マーケティングアクト
主な導入
実績
日本通運、オルビス、ココス、ダイエー、サントリー、伊藤園など比較的地方の中堅から大手企業が中心住友商事、東京海上、味の素、旭化成など超大手ヤフー、アサヒ、キリン、JTなど超大手コスモ石油、JTB、UCC、小林製薬、仙台銀行などJAL、サンスター、りそな銀行など官公庁、地方自治体、大手ホテルチェーン、電気・電力、製薬メーカーなどの超大手
コンサルティングの有無コンサルティング自体がメイン大規模なデータ分析を中心とした
コンサルティング
コンサルティング単独での提供なし
コンサルティング費用数十万円~数百万円数百万円~数百万円~数千万円~
(推定)
ツール利用料月額 数十万円~月額 数万円~月額 数十万円~
強み・
向いている企業
中小・中堅規模のEC/通販企業から大手企業まで業種ごとに優秀なコンサルタントが在籍、戦略立案のフレームワークが豊富大規模なデータ分析を中心
としたプロジェクトに
向いている
メール配信ツールの提供がメイン事業なので、メール配信を中心にCRM施策を実施する
社内にCRMの知識がある社員がいる会社に向いている
顧客数数十万人以上の通販企業など
社内にCRMの知識がある社員がいる会社に向いている
コンタクトセンターの導入支援がメイン事業なので、コンタクトセンターの導入支援を中心にCRM施策を実施する会社に向いている
弱み・
向いていない企業
ツールは提供していない
(ツールを紹介することは可能)
戦略提示中心
であり、実務実行までのサポートが弱い
担当するコンサルタントによって成果が変動する
中堅規模の通販事業、EC事業者には向いていないツールの利用法はサポートしてくれるが戦略は自社で策定する必要があるコンタクトセンターの導入支援がメイン事業なので、コールセンター以外にボトルネックや改善ポイントがある企業には向いていない

2.CRMの基礎となる主要な6つの指標について

CRM(Customer Relationship Management)施策を実施する際には、その効果や進捗を測るための様々な指標が用いられます。以下は、CRM施策で頻繁に利用される主要な指標です。

指標1:顧客獲得コスト Cost Per Order (CPO)

マーケティング・営業活動にかかる費用÷新規顧客数

新たに顧客を獲得するのにかかるコストを指します。マーケティングや営業活動にかかる費用を新規顧客数で割って算出します。

指標2:Life Time Value (LTV)

平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間

顧客が企業にもたらす生涯価値の合計を示す指標です。顧客が生涯でどれくらいの収益を生み出すかを示し、これが高いほど良いとされます。

指標3:Churn Rate (チャーンレート、離反率)

サービス単価×一定期間で解約した顧客数÷一定期間の総収益×100

ある期間内にサービスや製品をやめる顧客の割合です。特にサブスクリプションモデルなどのビジネスで重視される指標です。

指標4:Net Promoter Score (NPS)

(推奨者数-批判者数)÷回答者総数×100

顧客が他人に対して製品やサービスを推奨する確率を示す指標。特定の質問に対する回答をもとに、プロモーター、中立、ディトラクターの3つに分けて評価します。顧客が製品やサービスにどれだけ満足しているかを示す指標としても用いられるのが特徴です。アンケート等を通じて直接顧客からのフィードバックを取得することもあわせて行います。

指標5:クロスセル/アップセル成功率

アップセル/クロスセルが成功した顧客数÷全体の顧客数×100

既存の顧客に関連製品や高価格の製品を売り上げる活動の成功率。この指標が高いと、顧客との深い関係性や付加価値の提供がうまく行われていることを示します。

指標6:再購入率(2回目転換率)

2回目のリピート購入をした顧客数÷初回購入顧客数× 100顧客が再び製品やサービスを購入する確率を示す指標。高い再購入率は、顧客のロイヤリティや製品の質を示すものとなります。1回目購入から2回目購入への転換率を用いる事が多いです。

これらの指標は、CRM施策の効果を具体的に把握して改善点や新たな戦略を考えるための基盤となります。適切な指標を選び、定期的にモニタリングすることがCRM施策の成功へと繋がります。

3.日本におけるCRMの歴史

日本におけるCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)の歴史は、グローバルな動向とは一部異なる特徴を持っています。1990年代後半から、2000年代初頭にかけて、CRMは、主に海外の大手企業での成功事例を背景に、日本の企業にもその必要性が認識され始めます。当初は顧客データベースの構築やセールスフォースオートメーション(SFA)として導入されるケースが多かったのですが、インターネットの普及と共に、オンラインとオフラインの顧客データを一元管理することの重要性が増してきました。多くの企業がCRMシステムの導入を進め、情報の一元化や顧客対応の効率化を図りました。

 2000年代半ばになり、SNSやスマートフォンの普及に伴い、マルチチャネルでの顧客接点の増加が課題となります。これに対応するため、CRMの考え方が、単なるシステム導入から、企業全体の顧客中心の経営へとシフトしていきました。

 そして、2010年代、AIやクラウド技術の進化により、CRMの機能性が大きく進化しています。顧客の予測分析や、パーソナライズされたマーケティングが可能になり、また、クラウド型CRMサービスの普及により、中小企業でも導入できるサービスが増えてきました。

 2020年代になると、 DX(デジタルトランスフォーメーション)の波が到来し、CRMは単なる顧客管理から、データを活用した新たなビジネスモデル創出の基盤としての位置付けが強まってきました。現在はさらに、オムニチャネル戦略の実現や、リアルタイムでの顧客対応が重要となり、CRMの進化が求められ続けています。

 日本のCRMはテクノロジーの進化とともに変遷してきましたが、そのCRMの核心にある「顧客との良好な関係を築く」という思想は、時代を超えて変わらない普遍的なものとして、存在しています。

4.LTVを改善するためのCRM手法6選

LTV(Life Time Value)は、顧客一人当たりからの期待収益の合計を指し、企業にとっての顧客の価値を示す重要な指標となります。このLTVを高めることは、長期的な事業成長の鍵となります。CRMを活用してLTVを向上させるための手法を以下に挙げます。

手法1 顧客セグメンテーション

顧客を異なるグループやセグメントに分けることで、それぞれのグループに合わせたアプローチやサービス提供が可能になります。例えば、頻繁に購入する顧客と初めての顧客では情報提供の方法やタイミングを変えるなどのアプローチが考えられます。

手法2 パーソナライズ・コンテンツの提供

顧客の購入履歴や閲覧履歴などのデータを活用して、その人に合った商品やサービスを推薦します。これにより、顧客の満足度が向上してリピート購入の確率が高まります。

手法3 顧客アンケートの実施

アンケートやレビューを通じて顧客の声を収集します。アンケートから得たフィードバックをもとに商品やサービスの改善を行うことで、顧客のロイヤルティを高めることができます。

手法4 休眠掘り起こし施策

長らく活動がない、いわゆる休眠顧客をターゲットに特別なオファーや情報を提供する施策です。これにより、再度の購入やサービス利用を促すことができます。

手法5 ロイヤルティプログラムの再設計

ポイント制度や会員特典を提供することで、顧客のリピート購入を促進します。このようなプログラムは顧客の継続的なエンゲージメントを生むために効果的です。

手法6 顧客サービスのコミュニケーション改善

購入後のフォローや問い合わせに対する迅速な対応は、顧客の信頼を築く重要な要素となります。長期的な関係性を築くために、アフターサービスの質を向上させることが重要です。

以上の手法を組み合わせて自社にあった方法を取り入れていくことで、顧客との深い関係性を築くことができます。顧客の信頼度を高めることがLTVの向上につながると考えてください。

5. CRMコンサルティング会社の選定方法5選

最も重要なのはCRMツールの導入ではなく活用法です。CRMツールベンダーだと、自社のツールの販売にもっていくことが提案の主題です。営業は上手でも、導入した後のサポートに不満を持つ企業が多いです。中立的でかつ経験豊富な CRMコンサルを選ぶために、以下の5項目を満たすかどうかで判断することをおすすめします。

  1. CRMツール自体・コンサルティング両方に強みがあるか
  2. 調査・分析だけでなく改善施策を出せるか
  3. 業界での関連実績があるか
  4. プロジェクト開始後にアサインされるメイン担当者の経験があるか
  5. 抽象的・テンプレート的な指標ではなく、施策と連携する指標を策定できるか

6.おすすめのCRMコンサル会社7選

これまでの視点を踏まえて、Webly編集部が選んだCRMコンサルティング会社を7社ご紹介します。

①ECマーケティング株式会社

ECマーケティング株式会社(トップページアンカー)はECサイトやマーケティングサイトに特化したWebコンサルティング会社です。中小・中堅規模のEC/通販企業から大手企業まで社内の状況に合わせたサービスを提供しています。

主な導入実績日本通運、オルビス、ココス、ダイエー、サントリー、伊藤園など
コンサルティングの有無コンサルティング自体がメイン
コンサルティング費用数十万円~数百万円
ツール利用料
強み・向いている点中小・中堅規模のEC/通販企業から大手企業まで
弱み・向いていない点ツールは提供していない(ツールを紹介することは可能)

②株式会社船井総合研究所

株式会社船井総合研究所は地方の中堅~大手企業の実績が豊富なコンサル会社です。

業種ごとにコンサルタントが在籍しているため自社に合った戦略立案を行うことができますが、実務実行のサポートはやや弱いのが難点。戦略実行のリソースがある企業におすすめです。

主な導入実績比較的地方の中堅から大手企業が中心
コンサルティングの有無コンサルティング自体がメイン
コンサルティング費用数百万円~
ツール利用料
強み・向いている点業種ごとに優秀なコンサルタントが在籍、戦略立案のフレームワークが豊富
弱み・向いていない点戦略提示中心であり、実務実行までのサポートが弱い

担当するコンサルタントによって成果が変動する

③アビームコンサルティング株式会社

アビームコンサルティングは住友商事や東京海上などの誰もが知る有名企業のCRMも請け負うコンサル会社です。ビッグデータの分析を得意としているため、大企業の事業に向いています。

その反面、顧客のニーズに合わせた対応が求められる中堅~小規模の通販・EC事業にはやや不向きです。

主な導入実績住友商事、東京海上、味の素、旭化成など超大手
コンサルティングの有無コンサルティング自体がメイン
コンサルティング費用数百万円~
ツール利用料
強み・向いている点大規模なデータ分析を中心としたプロジェクトに向いている
弱み・向いていない点中堅規模の通販事業、EC事業者には向いていない

④株式会社ブレインパッド

ブレインパッドはビッグデータの取り扱いに特化したコンサルティングを提供しています。

ヤフー、アサヒをはじめとした超大企業での導入実績もあり、その分コンサル費用も推定数千万円~と非常に高額です。

主な導入実績ヤフー、アサヒ、キリン、JTなどの超大手
コンサルティングの有無大規模なデータ分析を中心としたコンサルティング
コンサルティング費用数千万円~(推定)
ツール利用料月額 数十万円~
強み・向いている点大規模なデータ分析を中心としたプロジェクトに向いている
弱み・向いていない点中堅規模の通販事業、EC事業者には向いていない

⑤シナジーマーケティング株式会社

シナジーマーケティングはCRMコンサルが中心事業ではなく、専門はメール配信サービスの提供です。

月間数万円~と比較的安価でメールを利用したCRMツールを提供していますが、施策を扱う戦略面でのサービスは基本的に行っていません。

主な導入実績コスモ石油、JTB、UCC、小林製薬、仙台銀行など
コンサルティングの有無コンサルティング単独
での提供なし
コンサルティング費用
ツール利用料月額 数万円~
強み・向いている点メール配信ツールの提供がメイン事業であるため、メール配信を中心にCRM施策を実施する、社内にCRMの知識がある社員がいる会社に向いている
弱み・向いていない点ツールの利用法はサポートしてくれるが戦略は自社で策定する必要がある

⑥カスタマーリングス(株式会社プラスアルファ・コンサルティング)

カスタマーリングスは顧客数数十万人以上の大規模な通販企業も取り扱う企業です。

コンサルティング事業がメインではないので、導入するのであればツールの使い方が分かる社員がいる環境であることが重要です。

主な導入実績JAL、サンスター、りそな銀行など
コンサルティングの有無コンサルティング単独
での提供なし
コンサルティング費用
ツール利用料月額 数万円~
強み・向いている点顧客数数十万人以上の通販企業など

社内にCRMの知識がある社員がいる会社に向いている
弱み・向いていない点ツールの利用法はサポートしてくれるが戦略は自社で策定する必要がある

⑦株式会社NTTマーケティングアクトProCX

NTTマーケティングアクトは民間企業だけでなく官公庁や地方自治体など公的機関へもサービスを展開している会社です。

コンサルティング単独での提供はなく、CRMを利用したコンタクトセンターの導入支援がメインの事業です。

主な導入実績官公庁、地方自治体、大手ホテルチェーン、電気・電力、製薬メーカーなどの超大手
コンサルティングの有無コンサルティング単独
での提供なし
コンサルティング費用
ツール利用料月額 数十万円~
強み・向いている点コンタクトセンターの導入支援がメイン事業であるため、コンタクトセンターの導入支援を中心にCRM施策を実施する会社に向いている
弱み・向いていない点コンタクトセンターの導入支援がメイン事業であるため、コールセンター以外にボトルネックや改善ポイントがある企業には向いていない

7.最後に

いかがでしたでしょうか?御社のCRM施策立案にお役立ていただけましたら幸いです。また、関連してこのような記事を作成してほしいなどご要望や個別のプロジェクトについてお悩み・相談がございましたら、Webly編集部まで気軽にお問い合わせください。 

この記事をかいた人   Webly編集部 チーフコンサルタント 伊藤 肇

2000年からデジタルマーケティング業界で、大手企業のウェブマーケティングを支援。Googleアナリティクスが生まれる前、2002年にサーバーの生ログを集計して「アクセスログ解析」をレポート。Googleアドワーズが生まれる前からWEB広告を担当、当時のコンバージョン計測は手集計。2006年にECサイトを50サイト運営しながら、サイトユーザビリティ改善の重要性に気づき、ヤコブ・ニールセンのホワイトペーパーを入手して、日本のサイトに実際に導入しCVRが向上することを発見。2006年にサイバーエージェント、アルベルト(現アクセンチュア併合)を含め業界をリードする各社を招待して「コンバージョンアップサミット」を主催。以降、800プロジェクトのサイトユーザビリティ改善に携わる。

 

ECマーケティングのCRMコンサルティングサービス

ECマーケティングでは、購買分析やペルソナ設計に基づいた戦略的な「CRMコンサルティング」をご提供しています。
企業が中長期的に成長してくためには、リピーターの確保は欠かせません。
メルマガやMAツール、LINE、アプリ、SMSなど、あらゆる手段を駆使しながら、新規顧客を優良顧客に引き上げていくためのサポートを行います。
>>CRMコンサルティングサービスはこちら<<

顧客関係管理(CRM)の最新記事

顧客関係管理(CRM)をもっと見る

この記事をかいた人

2000年からデジタルマーケティング業界で、大手企業のウェブマーケティングを支援。Googleアナリティクスが生まれる前、2002年にサーバーの生ログを集計して「アクセスログ解析」をレポート。Googleアドワーズが生まれる前からWEB広告を担当、当時のコンバージョン計測は手集計。2006年にECサイトを50サイト運営しながら、サイトユーザビリティ改善の重要性に気づき、ヤコブ・ニールセンのホワイトペーパーを入手して、日本のサイトに実際に導入しCVRが向上することを発見。2006年にサイバーエージェント、アルベルト(現アクセンチュア併合)を含め業界をリードする各社を招待して「コンバージョンアップサミット」を主催。以降、800プロジェクトのサイトユーザビリティ改善に携わる。

最新の記事