サイトリニューアルのKPIの作り方と注意点

「サイトリニューアルをするならKPIを定めるべき!」とよく聞きますが、そもそもKPIって何なのでしょうか?似た言葉にKGIもあり、どう違うのかいまひとつよく理解できていない…という方もいるでしょう。

そこでこの記事では、混同しがちなKPIとKGIの概要や、サイトリニューアルに際してのKPIの設定手順と注意点を解説します。

1.KPIとKGIの考え方

混同しがちなKPIとKGIですが、まずはそれぞれの意味と関係性を確認しましょう。

KPIとは?

KPIは、Key Performance Indicatorを略した言葉で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。

KPIは、最終目標を達成するためのプロセスを細分化し、順調に進んでいるかをチェックするためのマイルストーンとして定めた中間目標のことです。

KGIとは?

KGIはKey Goal Indicatorの略語で、「重要目標達成指標」と訳されます。事業や組織ごとに達成すべき最終目標のことです。

具体的には企業が中期経営企画などで目指すような、「売上高○億円」「市場シェア○%」などの、一定期間での最終目標のことです。KGIはKPIと比較すると、1年や3年といった長期間の目標として定めます。

KPIとKGIの関係性

KPIは最終目標であるKGIを達成するためにマイルストーンとして設けられた小さな目標のことを指します。KPIを達成していけば、おのずとKGIが達成されるという関係性です。

つまり、KPIを立てるためには、まず最終目標であるKGIを設定し、そこからKGIを達成するために必要なことを考え、KPIを設定する流れになります。

例えば、Webサイトであれば、SNSからの流入数を1年で倍にするといった目標がKGIにあたります。そして、それを達成するために必要な、Twitterのフォロワーを1000人増やす、Instagramを毎日更新するといった中間目標がKPIです。

 

2.サイトリニューアルのKPIの設定手順

それではサイトリニューアルにあたりKPIを設定するには、どのような手順で進めればよいのでしょうか?具体例を交えながら見ていきましょう。

ステップ1.Webサイトの課題を検証する

サイトリニューアルをするということは、何か改善したい点があるはずです。まずは既存サイトで改善したい点、つまり課題を洗い出してピックアップしましょう。

<例>
課題:お問い合わせ件数が少ない

ステップ2.サイトリニューアルの目標を設定する

課題が抽出できたら、その課題を解決することでどのようなWebサイトにしたいのか、サイトリニューアルの目的と目標を考えましょう。ここで定めた目標がサイトリニューアルのKGIになります。

お問い合わせ件数が少ないのであれば、「お問い合わせを増やす」ことが目的となりますが、そこからさらに具体的に、どのくらいの件数にしたいのか、数値目標まで定めるようにしてください。

<例>
課題:お問い合わせ件数が少ない
目的:お問い合わせを増やす
目標:お問い合わせ件数を30件から100件にする

ステップ3.KPIを設定する

数値目標が定まったら、その目標を達成するためにすべきことを細分化し、中間目標を考えます。お問い合わせの例でいえば、件数100件を達成するためには何ができるのかを考えましょう。

<例>
課題:お問い合わせ件数が少ない
目的:お問い合わせを増やす
目標:お問い合わせ件数を30件から100件にする
KPI:コンバージョン率を2%にする、直帰率を15%減らす

KPIが定まったら、そこからさらにコンバージョン率を2%にするには何をすればいいのかを具体的に考えましょう。

コンバージョン率を2%にするためにセッション数を増やすのか。セッション数を増やすためには何をするのか。そうやってKPIをさらに細分化していき対策を打つことで、最終的にKPIが達成され、おのずとサイトリニューアルの最終目的であるKGIも達成されていきます。

 

3.サイトリニューアルのKPI設定時の注意点

サイトリニューアルでKPIを設定するときに注意が必要なことを2つ説明します。

KGIに貢献する小さな目標をKPIにする

KPIを設定するときにありがちなのが、KGIとKPIがずれることです。

例えば、KGIとして「オーガニック検索からの流入数を2倍にする」と目標を立てたとします。そのKGIを達成するために、リニューアル後1カ月で流入数を1.2倍、3カ月で1.5倍にする、とKPIに分解していくのは間違いです。

KPIを立てるときには、「KGIをどうやって達成するのか」という「How」の視点で分解しなければなりません。

上記の例でいえば、SEO向けのページ数を増やす、広告向けのページを作成し、認知系広告のLPとして活用するといった、「どのようにして」流入数を増やすのか、といった視点でKPIを考えるようにしましょう。

数値目標にする

KPIに「お問い合わせ導線を改善する」「視認性を高める」といった目標を定めるのは、人によって判断基準が異なるため不適切です。KPIは、誰が見ても同じ判断ができる数値目標にする必要があります。

例えば、お問い合わせ導線が悪いことが「アクセス解析の数値データ」から見て明らかなのであれば、「お問い合わせにつながる特定のページの離脱率を15%下げる」など、数値で判断できるところまで落とし込むようにしましょう。

 

4.まとめ

サイトリニューアルで最終目標であるKGIだけを設定した場合は、KGI達成のためにどうすればいいかが決められていないため、達成のための施策が定まらず、効率的な施策を実施することができません。KGIを達成するために何ができるのかを細分化し、さらにどのようにするのかを考え、数値データまで落とし込みKPIとします。

KPIを言語化するだけではなく、数値目標まで立てることで、初めて「今」何をすればいいのかが明確になるのです。サイトリニューアルをしたあとには、KPIをしっかりと定め、目標達成に向けて進みましょう。

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Webコンサルタント 広告代理店にてメディア運営・SEOディレクション・Web広告運用を経験。 現在はコンテンツSEOとWeb担当者向けメディア『Webly』の編集を担当。

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