東南アジアEコマース市場の夜明け

WAOJE(旧和僑会)クアラルンプール大会

先日クアラルンプールで開催された、WAOJE(旧和僑会)のASEAN大会に参加してきました。

WAOJE(旧和僑会)とは、World Association of Overseas Japanese Entrepreneurs の略で、海外を拠点とする日本人起業家のネットワークです。→WAOJE(旧和僑会)について

集合写真(アジア中から100人以上の起業家が集結)

集合写真

マハティール元マレーシア首相による基調講演

マハティールさん

御年91歳でありながら、1時間もこのように立ったまま講演されました。

 

 

なお参加された起業家(≒会社)を都市別に見ると

クアラルンプール 29社

バンコク 19社

シンガポール 17社

プノンペン  8社

ヤンゴン  2社

その他   42社

でした。ジャカルタから来られる方がもっといてもおかしくないのかなと思っていたのですが、上記に含まれてなく、当日もお会いしなかったことのが意外でした。ジャカルタ(インドネシア)は大企業以外の会社設立のハードルが高い結果かもしれません。

一方で、プノンペンからがバンコク、シンガポールにつづいて8社 と多かったのも意外でした。カンボジアの経済成長が急速に進んためか、クアラルンプール(マレーシア)とつながりが深いのか、ただの偶然なのかもしれませんが、興味深いです。

 

 

 

2016年東南アジアECメガプレイヤーの動きまとめ

 

皆様こんばんは。早いもので2016年ももう終わりですね。2016年の大きな流れを簡単に振り返ってみようと思います。このブログで何度か言及しているように、今後大きく成長することが想定される一方、まだ夜明け前とも言える東南アジアのEC市場ですが、2016年は、日本勢の主要EC企業の相次ぐ撤退ニュースからスタートしました。

 

楽天市場が東南アジア市場から撤退 2016年2月( 参考:zd-net)

2016年の年明け早々、楽天市場が東南アジア市場から撤退し、C2Cフリマアプリのラクマに特化して展開すると発表しました。

 

住友商事グループの爽快ドラッグが撤退 2016年5月(現在は gugubird.com)

楽天市場につづいて、これまで東南アジアの日系ECの代表格だった住友商事グループの爽快ドラッグが、2016年5月に現地企業に株式を売却、現在は gugubird.com というサイトになっています。

 

アリババがLAZADAの株式を10億ドルで取得、経営権を獲得 (参考:Bloomberg 2016/04/12 )

一方でアリババが東南アジア最大のオンラインショッピングモールであるLAZADAの株式をロケットインターネット社から10億ドルで取得しました。

 

ジャック・マーがインドネシアのe-commerceアドバイザーに就任 (参考:THE WALL STREET JOURNAL 2016/09/09 )

G20サミットの会合で中国の杭州に立ち寄ったインドネシアのジョコヴィ大統領とアリババのジャック・マーが会談し、ジャック・マーがインドネシアのe-commerceアドバイザーに就任することが決まりました。

 

ジャック・マーがマレーシアのデジタル経済推進担当の政府顧問に就任することに合意 (参考:The Star Online 2016/11/04 )

アリババのジャック・マーがマレーシアのナジブ首相と会談し、マレーシアのデジタル経済推進担当の政府顧問に就任することに合意しました。

 

2016年は日本勢の撤退ニュースに始まり、一方で年末に矢継ぎ早に中国勢(といってもジャック・マー)の進出に終わった1年でした。

筆者の個人的感想としては、2016年はまだ日常の生活におけるECの存在感はまだまだ少ないという実感ですが、超大手が徐々に布石を打ち始めている 2017年はもう少しECが日常に入り込みはじめ、2018年には徐々に本格化し、気がついたら参入困難な状況になる可能性もあるなと、という予感がしています。

それでは皆様、良い年をお迎えください。

 

 

マレーシアのスタットアップ交流会BEAMに参加しました

 

5月19日にクアラルンプールで開催された、マレーシアのスタットアップ交流会BEAMに参加しました。

BEAMとは、Bridging Entrepreneurs and Moversの頭文字をとったもので、主にWebサービス、Web関連スタートアップ起業家たちがあつまる交流会で、クアラルンプールを中心に、シンガポールにも広がっているようです。

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挨拶をする主催者のKENNETHさん

主催者のKENNETHさんは、自身がgaptionというコンテンツから課金を生み出すSNSサービス( https://www.gaption.com/ )を立ち上げた起業家で、マレーシア政府からの支援を獲得した注目のスタートアップ起業家でもあります。

gaption

Tech in Asia の記事

 

 

beam1

※この写真の一番右に写っているのは筆者(伊藤)です。

 

この会には、100人以上ほどの起業家が集まり、とてもエネルギーにあふれた交流会でした。ほとんどの参加者が20代だったと推測します。

一方で、投資家・ベンチャーキャピタリストは一人も見かけませんでした。この日以外にも、インドネシアやシンガポールに投資をしている人には知り合いますが、マレーシアに投資をしているという人にはめったに出会いません。

マレーシアは投資先としてはインドネシアやシンガポールに埋もれがちですが、であるがゆえにチャンスかもしれないなとおもった1日でした。

 

 

 

東南アジアEC化率2014年版(Bain & Company社 から引用)

 

ちょっと前ですが、昨年11月23日にベイン&カンパニーさんが、東南アジアのEC化率(2014年版)について、とてもわかりやすいインフォグラフィックをリリースしていたのを発見しましたので紹介します。

東南アジア2014EC化率

引用元 Bain.com > Asia’s emerging digital consumers

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シンガポール EC市場規模 1000億円 (EC化率4.2%)

タイ王国 EC市場規模 1200億円 (EC化率2.7%)

インドネシア EC市場規模 1300億円 (EC化率2.2%)

ベトナム EC市場規模 600億円 (EC化率2.1%)

マレーシア EC市場規模 600億円 (EC化率1.3%)

フィリピン EC市場規模 400億円 (EC化率1.1%)

 

 

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個人的には、インドネシアとタイ、ベトナムのEC化率が2%代と非常に高いのが新鮮でした。

 

EC市場規模及びEC化率(この資料では penetration of online retail)は、各社によって定義が異なりますが、

EC化率 2%~3%というと、日本では、2008年~2010年頃に相当すると思います。

 

一方のマレーシアは一人あたり所得はタイやインドネシア、ベトナムよりも高く都市化が進んでいる割には、EC化率が1.3%と非常に低いなというのも新鮮でした。

 

たしかに、実際にマレーシアに定期的に行っていますが、人々の(私が接しているマレーシアの人、及びマレーシアに滞在している日本人)の日常生活にはまだECが入り込んでいない様子(話題にあまり登場しない)ので、実際にこの程度(1%代)なのも頷けます。

 

マレーシアでEC化率が他の東南アジア各国と比較して低い理由としては、この数字を見ただけでの仮説ベースで、ぱっと思いつく一般的なものだけを、いくつ上げてみると、

仮説1)人口が少なく将来ポテンシャルも含めた市場の魅力が小さいので先進国からのEC関連の投資が少ないことで魅力的なECサイトが少ない

仮説2)渋滞が比較的少なくかつ、ショッピングモールが充実しているので、比較的自分で買いに行きやすい(ECで購入する必要性が低い)

仮説3)単純にデータの取り方や取るタイミングの違いによる誤差(確かな情報元となるデータが少なく、かつ成長率が高いため十分に考えられる)。この場合、翌年のデータではまた傾向が変わっている可能性がある。

・・・など、いくつか考えられます。

いずれにしてもこのギャップがビジネスチャンスと言えるでしょう。(※ここから先は企業秘密で失礼します)

 

 

インドネシアでEC事業者が外資100%で参入OKに

 

昨日(2016年1月16日)、インドネシアでEC事業者であれば外資100%で参入が可能になるという記事がジャカルタグローブというメディアで紹介され、私を含め東南アジアのEC業界関係者で話題になりました。

Indonesia to Allow 100  Foreigners Ownership in E Commerce   Jakarta Globe

http://jakartaglobe.beritasatu.com/business/indonesia-allow-100-foreigners-ownership-e-commerce/

 

ちなみにマレーシアとシンガポールではEC事業者にかぎらず、ほとんどの業種で外資100%参入ですが、これだけ話題になるということは、人口2億人を擁するインドネシアの市場が注目されているということかと考えます。

一方で、シンガポールとマレーシアでは逆に外資参入のハードルを徐々に上げていく方向性(外国人向けの就労ビザ発行要件の条件が厳しくなる方向性)だったので、今回のインドネシアの動きから、再び東南アジア全体で外資に対してOPENになる方向性になる一つのきっかけになってくれればいいなと期待しています。

 

マレーシアのWEB広告に関する調査について

 

マレーシアの広告市場規模についてのデータ(2012年)がこちらにあります。

TV広告 2,464百万リンギット(約800億円)に対し、

インターネット広告は、まだ203百万リンギット(約70億円)です。

infocube

 

 

一方で、「アジアリサーチ総研」という会社が、WEBアンケートで集めた104人という母集団から得られた結果を元に以下のような調査結果を10月8日にリリースされました。

 

【調査結果概要】
マレーシア在住者に、各メディア広告(テレビ・ラジオ・雑誌・新聞・WEBサイト・モバイルアプリ・屋外広告)の効果について、市場調査を実施。

「広告を見て、実際に何度も購入したことがある」と回答した人の割合が高いメディアは、1位がWEBサイト( 76.47%)、2位がテレビ( 68.27%)となりました。
マレーシア(東南アジア)においても、WEBの影響力は大きくなっており、そこでの広告は、伝統的なテレビ広告をもしのぐほどになっているという調査結果になっております。

情報ソース

 

これは、特定の媒体(ここではオンライン)だけからサンプルを収集しているので、同条件で、シンガポールや、インドネシアと比較するのでしたら、アリですが、媒体同士の特性や利用状況を比較しての内容については、意味がないと思います。

 

 

一方で、それを早速、以下のメディアが引用して紹介しているのですが、完全にタイトルが一人歩きしています。

 

【マイナビ・ニュース】マレーシアでは、Webがテレビを上回る結果に – 広告効果調査

mynavi

 

【マレーシアナビ】マレーシア人の76%、WEB広告を見て商品を何度も購入

malaysianavi

このタイトルは、もはや事実とは乖離している状態です。

 

 

再度、マレーシアの広告市場規模(2012年)のデータがこちらにあります。こちらは客観的な情報と言っていいでしょう。

TV広告 2,464百万リンギット(約800億円)

インターネット広告 203百万リンギット(約70億円)

 

 

 

ZALORAの割引チケットをスーパーのレジで発見

 

 

 

こんばんは。

先日クアラルンプールのスーパーマーケットで買い物をしたら、レジのカウンターで発見しました。

2015-10-08 17.04.44

 

そういえば、忘れているのでなければ、日本でECサイトの宣伝をオフラインの店舗で

しているのって、あまり記憶にありませんでした。

 

(当然、自社ECの宣伝を自社直営店で、というのは、ユニクロ、無印を始めとして皆さんやられていますが、ネット専業のECサイトの宣伝を、他社のオフライン店舗で告知するのは、意外と多くないかも。)

 

Eコマースの普及率が低い地域で、ECサイトの告知をこのようにオフラインでするのは、効果的かもしれないですね。

 

 

 

東南アジアの大手ECサイトの送料、配送日数から見る市場ステイタス

 

東南アジアを代表するECサイトZALORA(ファッション、拠点マレーシア、年商185億円)と、LAZADA(オールジャンル、拠点シンガポール、年商461億円)の送料と配送日数を一覧にしてみました。

(※この記事は全て金額の単位は全て日本円に換算しています。)

 

 

ZALORA(ファッション、拠点マレーシア、年商185億円)

zalora

zalora送料グラフ

zalora送料一覧表

 

LAZADA(オールジャンル、拠点シンガポール、年商461億円)

lazadaキャプチャー

LAZADA送料グラフ

LAZADA送料一覧表

 

両サイトとも、送料設定においては、特にシンガポールとクアラルンプルでは、ECの普及が非常に進んでいる東京の水準と比較しても遜色なく、むしろ送料の安さでは一層ハードルが低い設定になっています。交通にかかるコストが低いクアラルンプル(マレーシア)では、1件あたり100円~200円というのは妥当な相場といえますが、物価が非常に高いシンガポールにおいて、210円~330円というのは、非常に競争力のある設定だと考えます。

 

配送日数については、シンガポールとクアラルンプルでも1~4営業日とばらつきがあり、送料設定以上に、ECサイトの実力による差が大きく出ているようです。

この点(配送日数)については、日本において、大抵の商品が注文したら翌日、場合によっては当日に届くという状況にまでなっている現状とは、差がまだあります。

 

また、バンコクとジャカルタでは、場合によっては1ヶ月以上かかる、という記載も商品個別には見受けられることから、日常的にあらゆる商品をネットで購入する、という状況までは、まだ少し(数年)は時間が掛かりそうな印象を持ちました。

 

以上の状況と、現地(特にマレーシア)で滞在している感覚と足しあわせて、既に日本並にあるいはそれ以上にECが普及しているシンガポールを除く東南アジアの以下3カ国のEC市場のステイタスは、以下くらいではないかと考えます。

 

マレーシア (この1,2年でECの普及が急速に進む、日本の2005,6年位)

 ↓

タイ (この3~5年でECの普及が急速に進む、日本の2002,3年位)

 ↓

インドネシア (この3~7年でECの普及が急速に進む、日本の2001,2年位)

 

※中盤までデータ中心に来ながら、最後は感覚的にエイっとまとめました。・・・汗

 

 

 

クアラルンプールのコワーキングスペース 5選

 

先日クアラルンプールに出張に行ってきた際に、コワーキングスペースを調べました。

日本語で比較できるサイトがなかったので、自分が調べたものの中から気になっているものをピックアップして、簡単ですが、ご紹介します。

 

[その1]  Paper+Toast  ( http://paperandtoast.com/ )

Bukit bintangという繁華街(銀座、表参道のようなイメージ)にある非常に便利な立地と綺麗な内容が魅力的です。

実際に行ってみましたが、便利な場所にある一方、ちょっと事務的な感じの場所で現地の人との

交流が生まれるような場所ではなかったでした。一人で黙々と作業をするにはお勧めです。

paperntoast0009

PAPER + TOAST | A-0-5 One Residency | 1 Jalan Nagasari
50200 Kuala Lumpur | Malaysia

 

 

[その2]  THE NEST ( http://nest.mgvd.co/ )

ここはまさにスタートアップベンチャーと知り合いになれそうな交流型(おそらく)コワーキングスペース。

車がないと行けない場所にあります。(クアラルンプールは車で移動することが前提)

ダマンサラ・ハイツという高級住宅地にあります。次回は行ってみたいと思います。

nest_logo

Address: 7 Jalan Derumun
Damansara Heights
50490 Kuala Lumpur

 

 

[その3] NOOK ( http://nook.my/ )

ここはバンサーというやや郊外、外国人が多く、おしゃれな街にあります。雰囲気なThe Nestに似ていますが、The Nestよりも電車と徒歩でたどりつきやすい場所にあります。

 

Screen-Shot-2014-01-16-at-15.13.16

9, Jalan Riong, Off Jalan Maarof

Bangsar, 59100 Kuala Lumpur

 

 

[その4] MAKE SPACE ( http://www.makespace.my/ )

ここは、ものづくり系のスタートアップベンチャーのワークショップなどが開催されているようで、興味のある方にはとても素敵な場所なのではないかと思います。

makespace

Quill City Shopping Mall, Lg16, 1018, Jalan Sultan Ismail,

50250, Kuala Lumpur.

 

 

[その5] SENTRO ( http://sentro.asia/ )

KLセントラルという、クアラルンプール国際空港からクララルンプールに入る玄関口にあたる便利な場所にあります。

ここは日本人の方が経営されているクアラルンプールで唯一のコワーキングスペースだそうです。

pic_space

ここにも次回行ってみようと思います。

Level 32, Menara Allianz Sentral, 203 Jalan Tun sambanthan,
Kuala Lumpur Sentral, 50470 Kuala Lumpur

 

東南アジアのファッションECサイトの代表格 ZALORAをZOZOと比較してみる

 

東南アジアのECサイトの代表格の一つに、ファッションECの「ZALORA」というサイトがあります。

 

zalora

 

その急成長ぶりは、日本の代表的ファッションECの「ZOZO」とGoogle Trendsで比較してみると、よくわかります。

 

Google Trends

zozoとzalora

あくまでもGoogle Trendsの数値ですが、

2012年に登場し

2014年にZOZOを追い抜いて

2015年時点では既にZOZOの2倍以上になり、さらに伸びています。

 

IR資料で実際の数値を確認すると、

訪問者数 ではZALORAは、1700万訪問/月(2014年)に対して、

ZOZOは古いデータしか公開されていなく、400万訪問/月(2011年)となっていますが、2014年の売上は2011年と比較して約1.5倍(385億円←238億円)になっていることから、仮に同じ比率で訪問者数が増えているとすると、600万訪問/月 多めに見ても800万訪問/月

だとすると、すでに訪問者数ベースでは、ZALORAがZOZOを抜いていることは充分考えられそうです。

上記で見たGoogle Trendsのグラフとも概ね一致しているようです。

 

一方で、出荷数を確認すると、

ZALORAが、50万件/月(2014年3月及び4月)と発表している一方で、

ZOZOは、90万件/月(2014年1~3月の平均)であることから、まだ実際の出荷数では、ZOZOには追い付いていないようです。

 

「訪問者数は多いがまだ実際の受注数が少ない」というあたり、日本と東南アジアのEC市場自体の成熟度合いの違い、がそのまま数字に反映されているのかもしれません。

 

とはいえ、成長ペースからすると、出荷数でも、ZALORAがZOZOを抜くのも時間の問題ではないかと考えます。

 

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情報引用元1:

 

情報引用元2:

スタートトゥデイ決算説明会資料 http://www.starttoday.jp/?page_id=1563

 

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